サーフィンは、紫外線を浴びる量が増える側の遊びです。水に入っていれば涼しくて安心な気がしますが、実際は逆に働きます。

環境省の資料はこう書いています。「水はわずかな紫外線しか防いでくれません(水深50cmで地表面の40%)。また、水面の反射は紫外線のばく露量を増加させます」。

つまり、潜っても防げず、水面にいれば反射で増える。この記事では、数値の出どころを添えながら、日焼け止めの使い方と目の守り方を整理しました。

強い日差しの下でサーフィンをする様子

なぜサーファーは浴びる量が増えるのか

地面の種類によって、紫外線の跳ね返る割合が変わります。環境省の資料に載っている反射率です。

地表面 反射率
新雪 80%
砂浜 10〜20%
水面 10〜20%
コンクリート・アスファルト 10%
草地・芝生・土面 10%以下

出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル」(PDF)。2026年9月11日に確認しました。

砂浜と水面が同じ帯にいます。サーフィンでは、その両方の上に長い時間いることになる。上から直接くる分に、下から跳ね返る分が乗る。そういう場所です。

時間帯も効いてくる要素です。同じ資料によると、東京の夏では午前10時から午後2時のあいだに1日の約60%が降るとされています。この時間に海に入るなら、対策の前提が変わると考えてください。

サーファーが引っかかりやすい3つの勘違い

「もう焼けているから平気」

日焼けした肌には、たしかに紫外線を防ぐ働きがあります。ただし、その効果はSPF4程度。世界保健機関のガイドブックをまとめた環境省の資料に、そう書かれています。

SPF30の日焼け止めを塗る場面で、SPF4の肌が代わりになるわけではありません。

「曇っているから塗らなくていい」

薄い雲の場合、紫外線の80%以上が通過します。屋外では、太陽から直接届く量と、空気中で散乱して届く量がほぼ同じになります。日陰に入っても散乱分は届く、ということです。

曇りの日にひどく焼けた経験は、だいたいここが原因です。

「潜っていれば大丈夫」

水深50cmで地表面の40%が届きます。ドルフィンスルーで潜っている数秒に、防御の役目は期待できません。

夏の海で波に乗るサーファーの背中

日焼け止めの使い方

量が足りていないことが多い

SPFの値は、決まった量を塗った状態で測られています。試験での塗布量は1平方センチメートルあたり2ミリグラムです。薄く伸ばすと、表示どおりの効果にはなりません。

塗り方にもコツがあります。環境省の資料が挙げている手順はこうです。顔は数か所に分けて置いてから伸ばす。腕や脚は表と裏に1本ずつ線を描いてから、手のひらでらせん状に広げる。分けて置くと、塗り忘れとムラが減ります。

鼻の頭、肩、背中の上のほうは念入りに。ここは太陽に向いている面です。

2〜3時間おきに塗り直す

日焼け止めは皮膚の上にあって初めて働きます。手や衣類に触れれば落ちますし、汗を拭けば一緒に取れます。

資料の言い方はこうです。「落ちたと思ったときにすぐに重ね塗りするか、そうでなければ、2、3時間おきに塗り直し(重ね塗り)をすることをお奨めします」。

海で2〜3時間入るなら、上がったときに一度塗り直す。そういう使い方です。私たちは車に1本置いておいて、休憩のたびに塗っています。

摩擦をかけない

ゴシゴシ伸ばすと、肌への刺激になります。スタンプを押すように置いてから、やさしく広げてください。落とすときも同じで、こすらないほうが肌に残るダメージが小さくなります。

目のことも忘れないでください

肌の話に比べて、目は後回しにされがちです。環境省の資料では、紫外線による目への影響として、急性のものと慢性のものが挙げられています。

分類 症状
急性:紫外線角膜炎(雪目) 白目の充血、異物感、涙。ひどくなると強い眼痛。反射の強い場所で起きる
慢性:翼状片 白目の組織が黒目へ伸びてくる
慢性:白内障 水晶体が濁り、見えにくくなる

角膜炎は、昼に浴びたあと夜から翌朝にかけて出ることがあります。大部分は24〜48時間で自然に治るとされていますが、痛みが強いときは眼科で診てもらってください。

できる対策は2つです。ツバの広いサーフハットで目元まで影をつくること。もうひとつが、サーフィン用のサングラスです。

どちらにも引き換えがあります。ハットは視界が狭くなるので、混み合ったポイントでは板や人の確認がしにくくなります。サングラスは落とすので、水に浮くタイプかフロートストラップを合わせてください。

サーフハットをかぶってロングボードに乗るサーファー

海から上がったあと

浴びた分をなかったことにはできません。ただし乾燥を放っておくかどうかで、肌の状態は変わります。

まず日焼け止めを落としてください。環境省の資料も、毎晩その日の汚れを落とすように日焼け止めも落とす、としています。耐水性の高いものは専用のクレンジングが指定されている場合があるので、説明を見てください。

そのあと保湿します。海から家までの時間をつなぐだけなら、オールインワンのジェルが手軽です。家に着いたら髪と肌の海水を洗い流して、あらためて保湿する。私たちはこの順番でやっています。

クレンジングシートは便利ですが、こすると摩擦になります。使うなら肌に当てて成分をなじませるようにしてください。

よくある質問

ラッシュガードを着ていれば日焼け止めは不要ですか

覆われている部分は守られますが、顔、首のうしろ、手の甲、足の甲は出たままです。水面の反射は下からも当たるので、あご下や鼻の下も焼けてくる。布で覆えない場所に塗る、と考えてください。

日焼け止めを塗ると体に必要な日光まで遮りませんか

紫外線にはビタミンDをつくる働きもあります。環境省の資料には、SPF30の日焼け止めを使うと皮下でのビタミンD産生は5%以下に落ちる、という記述があります。

ただしサーフィンは、そもそも長時間屋外にいる遊びです。露出した手や足から浴びる量は残ります。気になる場合は、対策を減らすより食事で補う方向を医師に相談してください。

シミやしわは、もう手遅れですか

環境省の資料には、光老化についてこう書かれています。「加齢による自然の老化とは異なり、適切な紫外線防御対策により防ぐことができるもの」。これから浴びる分は減らせる、ということです。

まとめ

水面と砂浜の反射率はどちらも10〜20%。水深50cmでも40%が届きます。サーフィンは浴びる量が増える側だという前提から始めてください。

日焼け止めは、量を足りるように塗って、2〜3時間おきに塗り直す。焼けた肌はSPF4程度、薄い雲は80%以上を通す。目にはツバの広い帽子かサングラス。上がったら落として保湿する。

どれも当日にできることです。数値の出どころは環境省のマニュアルに揃っているので、気になる項目は原典を見てみてください。

※ この記事の内容は一般的な目安です。肌や目の状態には個人差があります。強い炎症、水ぶくれ、痛み、見えにくさがある場合は、皮膚科または眼科を受診してください。

この記事について

サーフィン初級者から20年以上のベテランサーファーまで在籍する「nanazero編集部」が企画・執筆を行いました。

この記事の根拠 反射率、水深50cmでの到達率、SPF4、薄い雲の透過率、塗布量、塗り直しの間隔、目への影響と光老化は、環境省「紫外線環境保健マニュアル」で確かめました(2026年9月11日)。引用は原文どおりです。塗り直すタイミングやサーフハットの使い勝手は、編集部が海で実際にやっていることです。

文章校正や誤字脱字のチェックにAIを活用しています。サーフィンの経験・体験談は、編集部メンバーが実際に体験した一次情報です。編集部についてはこちらにまとめています

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