クラゲが増える時期はいつ?特に危険な3種類と刺された時にやってはいけない対処法
こんにちはnanazero編集部です。本記事では海水浴とサーフィンを安全に楽しむために必要な知識として「危険なクラゲ」と「刺された時にやってはいけない対処方法」についてまとめていきます。
ちなみに、本記事を担当している筆者はサーフィン歴20年以上で、これまでに危険なクラゲに刺されたことが何度もあり、病院で治療した経験もあるので、自戒を含めて学んだ知識と対処方法を紹介します。
サーフィン、海水浴、海のレジャーを安全に楽しむためにも、ぜひ本文をチェックしてください。
1. クラゲが増える時期はいつ?
クラゲが増える時期は一般的に春から夏と言われていますが、地域によっては秋頃まで発生します。またその年の気候や海水温、台風の影響によって増殖したり、流れ着いたりすることもあるので、一概にどの時期が増えるとは言えません。
傾向としては春から秋にかけて発生することが多いと覚えておきましょう。
1.1 クラゲ対策3つの基本
- クラゲ侵入防止ネットが設置されている海水浴場で泳ぐ
- ウェットスーツ、長袖ラッシュガード、長袖スパッツを着用する
- クラゲの発生情報をネットで調べる
これらはクラゲから身を守るための基本的な対策になります。
2. 危険なクラゲ 3種類
海水浴、サーフィン、マリンレジャーで遭遇しやすい危険なクラゲは次の種類です。
- カツオノエボシ:透明な体に青い触手が特徴。触手に強い毒を持ち、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こす。
- ハブクラゲ:非常に強い毒性を持つ。沖縄県では死亡例もある。
- アカクラゲ:赤い筋が特徴のクラゲ。刺されると非常に強い痛みを伴う。
春から夏にかけて危険なクラゲは増えやすく、秋頃までは海に浮遊しています。台風の影響などでビーチに流れ着くことも多く、カツオノエボシは砂浜に打ち上げられている姿が頻繁に見られます。しかし、死んでいても触手の毒は残っているので、それぞれの形状や見た目を確認して、危険な種類であれば近づかないようにしましょう。
3. カツオノエボシ 特徴と間違った対処法
カツオノエボシの特徴や生息地について、詳しく解説します。
- カツオノエボシは、日本の暖かな海でよく見かけます。
- 南日本や沖縄で特に多く見られます。
- 活動期間は主に夏季、6月から9月です。
- 沖縄では、11月頃まで見かけることもあります。
3.1 カツオノエボシが台風後に海岸に大量発生する理由
- 台風が深海のカツオノエボシを海面へ押し上げる。
- 台風の波によって海岸や湾に流される。
- 台風による海水の温度や塩分の変化が、繁殖に適している。
3.2 カツオノエボシの見た目の特徴
- 四角形の傘を持つ。
- 体色は透明から淡いブルー、またはピンク。
- 触手は鮮やかな黄色をしています。
また、カツオノエボシは一見クラゲのように見えますが、実際はヒドロ虫という生物の一種です。そのため、次の特徴があります。
3.3 カツオノエボシはクラゲではない?
- ヒドロ虫は刺胞動物門に属しています。
- ポリプ(花形)とメデューサ(クラゲ形)の二形態を持つ。
- 「クラゲ」は通常メデューサ形態を指すため、カツオノエボシもクラゲと呼ばれます。
しかし、一つ注意すべき点があります。カツオノエボシは「ヒドロ虫の群体」と言われますが、その全体が一つの個体として機能するため、一般的な意味での「群体」とは異なるという事実を覚えておきましょう。
3.5 カツオノエボシの接触を避けるための方法
カツオノエボシとの不快な遭遇を避けるための主要な対策は以下の通りです。
- カツオノエボシの出現情報をチェック
- クラゲ対策ネットのあるビーチで泳ぐ
- ラッシュガードやウェットスーツを利用する
一般的なクラゲと同じように、カツオノエボシが出現する可能性がある場所や時間について情報を確認し、クラゲ防止ネットが設置されている海岸で泳ぐことが重要です。さらに、ラッシュガードやフルスーツのウェットスーツを着用することで、皮膚と直接接触することを防ぐことができます。
3.6 カツオノエボシによる刺傷後の適切な対処法
- 海水を用いて洗い、触手を排除する(できれば海中で)
- タオル等で毒を持つ触手を取り扱う
- 暖めて毒素を無力化する
- 暖めた部位を冷却する
- 医療機関で診察を受ける
- 抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏を塗布する
3.7 カツオノエボシに刺された際に避けるべき行動
- 淡水での洗浄
- 酢を用いる
- 砂をかけて摩擦を与える
- 裸の手で触手を取り除く
カツオノエボシ、他のクラゲ同様、淡水で洗浄したり、砂をつけて擦ったりすることは厳禁です。また、触手には毒が存在するため、手で直接取り扱うことも危険です。
3.8 カツオノエボシに襲われた経験を持つサーファーの見識
著者はサーフィン中に過去複数回カツオノエボシに刺されたことがあり、また娘も海水浴中にカツオノエボシに足を刺されたことがあります。以下は私が刺された時のシチュエーションです。
- 台風時の大波と荒れた海でのサーフィン
- 無防備な「上半身裸+サーフトランクス」の装い
- アナフィラキシーショックのリスクもある状況で2度の被刺傷
- ハブクラゲほどではないが、電気ショックのような感覚
被刺傷時は、その場で触手を取り除き、刺された部位を動かさないようにして岸に戻りました。サーフポイントは岸から300メートルも離れていたので、サーフィン中に被刺傷すると非常に危険です。
もし、刺された場合は以下の対策をなるべく早く行ってください。
- すぐに海から上がる
- ハブクラゲとは違い、アンモニア水は適用せず、海水で触手を取り除く
- 直ちに救急病院へ行き、診察を受ける
診察時に、医師からは「ラッシュガードやウェットスーツの着用を心掛けよう」という忠告を受けました。今ではその教訓を生かし、夏場であってもきちんとウェットスーツを着用しています。
4. ハブクラゲの特徴と間違った対処法
※イメージ画像
ハブクラゲはその透明な体色から、水中では見つけにくく、人々がその存在を認識するのは大抵、刺された瞬間となります。
- 活動期間:6月~9月
- 頻繁に出没:静かな砂浜、湾内、人工ビーチ
- サイズ:20~30cm程度
その小さなサイズゆえに、浅瀬でも人々が被害に遭っているのが現状です。
- 触手には刺胞(毒針入りのカプセル)が密集
- 刺されると強い痛みを感じ、皮膚にミミズ腫れのような跡が現れる
特に、沖縄県でこれまでに3件の死亡事例が発生しているため、十分な注意が必要です。
以下のようにリライトします。 ---4.1 ハブクラゲから身を守るための手段
- ハブクラゲ防止ネット設置ビーチで泳ぐ
- 肌を覆い、ウェットスーツやラッシュガード、長袖Tシャツ、レギンスを着る
4.2 ハブクラゲに刺された際の初期対応
- 直ちに海から上がる
- 食酢を使って触手を取り除く
- 食酢で取れない触手は指で優しく除去
- 痛みが強い時は、冷たい水や氷で痛みを緩和
- 医療機関で治療を受ける
4.3 ハブクラゲ刺傷の間違った対処法
- 真水を触手にかけない
- アルコールは触手に使わない
- 砂で触手を取り払わない
これらの対処法は刺胞を誤って活性化させ、毒を発射させる恐れがありますので、絶対に避けてください。
4.4 ハブクラゲに刺された経験者からの伝言
この記事の著者である私は沖縄出身で、子供の頃にハブクラゲに刺されたことがあります。ハブクラゲは透明で、水中ではほとんど見つけることができません。刺される前に気づくのは難しいです。
また、水深が膝ほどの浅瀬にも出没します。
刺されたときは刺された箇所に電気ショックのような強烈な痛みが走ります。触手が肌に絡みついて、その部分はミミズ腫れのように赤く腫れ上がります。
私はすぐに海から上がり、近くの薬局で対処法と塗り薬を教えてもらいました。しかし、医者からは、可能な限り病院へ行くことが最善であると助言されました。
強烈な痛みとショックが体に与える影響は大きく、とても危険です。
あの恐ろしい体験は幼少期の記憶ではありますが、今でもその強烈さは忘れられません。
5. アカクラゲの特徴と間違った対処方法
アカクラゲなど、クラゲの一部の種類は、傘の下側に伸びる触手部分に「刺胞」を持っています。これが直接肌に接触すると、火傷のような強烈な痛みが体に広がります。さらに、皮膚の腫れや水疱といった皮膚症状の他、呼吸困難を起こす可能性もあります。
特筆すべきことは、クラゲが死んだ後でも、刺胞は活動性を保ち続けます。したがって、海岸に打ち上げられたクラゲに対しても、十分な注意が必要となります。
5.1 アカクラゲに対する予防と対策
- クラゲの情報をあらかじめ調べる
- 海辺でクラゲが打ち上げられていないか確認する
- ラッシュガードやウェットスーツを着用し、肌の露出を減らす
もし刺された場合は、以下の手順に従ってください。
- こすらずにタオル等で触手を摘み取る
- 酢、アルコール、またはアンモニア水で毒素を中和させる
- 可能なら病院で診察を受ける
5.2 アカクラゲに刺された際の誤った対策
- クラゲの情報を調べない
- 触手が付着したまま擦る
- 真水で洗い流す
クラゲに刺された場合、パニックにならず、付着した触手をタオルなどで取り除き、酢やアルコールなどを使って毒素を中和させることが重要です。
6. 効果が限られるクラゲ対策
日本市場には、クラゲ防止の成分を含んだ日焼け止めやクリームが存在します。しかし、その効果は一定の範囲内に留まります。
というのも、多くのクラゲは水中を自由に泳ぐ力が弱く、主に海流に流される形で移動します。
そのため、たとえクラゲが避ける成分を含んだクリームを塗ったとしても、クラゲ自身がその成分を避けて泳ぎ去ることはできません。結果として、クリームを塗った人間とぶつかることもあります。
このような事実を踏まえると、クラゲを避けるためには、クラゲの生態を理解し、ラッシュガードやウェットスーツを着用し、クラゲ対策ネットが設けられているビーチで泳ぐことが最善の方法と言えるでしょう。
まとめ
クラゲは美しい生物でありながら、その美しさの裏には、人間に対する危険な潜在能力が隠れています。特に日本の海域では、アカクラゲ、ハブクラゲ、カツオノエボシといったクラゲが多く見られ、その刺傷が深刻な症状を引き起こすことがあります。
刺された際の対処方法はクラゲの種類により異なりますが、一般的には触手を海水で取り除き、酢や温熱で毒を中和します。特にハブクラゲやカツオノエボシに刺された場合は、症状が重篤になる可能性があるため、速やかに医療機関に相談することが重要です。
海での安全を確保するためには、海水浴場のクラゲ情報を事前に確認したり、ラッシュガードやウェットスーツを着用したりするなど、適切な対策が必要です。また、クラゲ対策ネットが設置されているビーチでの海水浴がおすすめです。
クラゲ避けのクリームやスプレーも存在しますが、その効果は限定的であり、完全な保護を提供するものではありません。クラゲの危険性を理解し、適切な対策を講じることが、海での安全を確保するための最善の方法です。