多くの人々がサーフィンのスリルや爽快感に魅了されています。しかし、エクストリームスポーツに見える反面、サーフィンが健康やダイエットに効果があるのかどうかについては、疑問を持つ人も多いことでしょう。

そこで、この記事では、サーフィンによる消費カロリーの真実に迫ります。サーフィンが本当にカロリー消費に有効なのかということが、この記事を読むことで、理解できるようになると思います。

1. サーフィンの消費カロリーってどれくらい?

運動中における消費カロリーには様々な要素がかかわっています。

個人の体重や筋肉量、運動の種類や激しさ、時間、熟練度、どれだけ真剣に取り組むか。これらによって、大きな差が生じます。

サーフィンの場合、一般的に言われるのは、1時間あたりのセッションで消費するのは、体重60キロのサーファーだと約180カロリーで、体重80キロのサーファーだと約240カロリーとされています。

2. 初心者/中級者と上級者では消費カロリーが違う

サーフィンにおける消費カロリーをもう少し詳しく見てみましょう。

2.1 初心者から中級者の場合

10分に1回くらいでブレイクが入ってくるような比較的穏やかな海のコンディションで、ゲティングアウトするときのパドリングにあまり力を入れる必要のない状態で、1回のライティング時間もそれほど長くなく、ワイプアウトしたらまた次の波を待つといった、ゆったりとしたペースで約一時間のセッションをすると想定した場合、

体重80キロのサーファーが消費するのは、およそ250から300カロリーと推定され、もっとハードに取り組んだ場合で最大500カロリー程度と考えられます。

2.2 上級者の場合

上級者が、オーバーヘッドくらいのサイズのブレイクがコンスタントに入って来る海のンディションで、混雑がなく、次から次へと波を捕らえるために、懸命にパドルして強めのブレイクを2~3回ドルフィンスルーで掻い潜るとして、1回あたりのライディングもカットやターンを繰り返して比較的長くなり、ワイプアウトしたら波に揉まれてようやく水面に出てボードを手繰り寄せるといった、ハードなペースで約1時間のセッションをすると想定した場合、

体重80キロのサーファーが消費するのは、およそ600カロリーと推定され、上達して激しい技を使えるようになるほど消費カロリーは上昇すると考えられます。またポイントブレイクでブレイクのポイントに戻るまでより長い時間を要すると考えられるような場所では最大800カロリー程度消費すると考えられます。

以上のように、サーファーの熟練度や海のコンディションによって、さらには取り組み方の違いによっても大きな違いがありますが、消費カロリーの目安としてとらえることはできると思います。


3. その他のウォータースポーツではどれくらいの消費カロリーがあるのでしょう?

サーフィンばかりでなく水の上で行うスポーツは、バランス感覚を必要とするため、体感が鍛えられるので、基礎代謝の向上に有益ですし、姿勢がよくなり、美容効果も期待できます。ウィンドサーフィン、カイトサーフィン、SAP(スタンド・アップ・パドリング)、水泳、カヤックなど消費カロリーの視点から見てみましょう。

3.1 スタンド・アップ・パドリング(SUP)

意外に思われるかもしれませんが、消費カロリーが高いウォータースポーツです。

余暇を楽しむレベルのペースで行った場合で、体重60キロの人が1時間のSUPをした場合、およそ350カロリー消費します。ちなみに、同条件で体重80キロの人の場合ですと、およそ500カロリー。

ちょっと気合の入ったモードでパドルした場合だと、平均的な体格の人で750カロリーに跳ね上がり、レースレベルの真剣モードでパドルすると1200カロリーに及びます。

一見のんびりして見えるSUPですが、サーフィンのような派手な動きが無いように見えますが、実はパドルを操作する上半身の筋肉ばかりではなく、背筋、脚全体の筋肉、そして腹筋を使っているのです。

この記事を読んでいる方はサーファーが多いと思いますが、機会があれば、SUPツアー用ではなく、波乗り用や上級者用の浮力が抑えられたSUPに乗ってみてください。SUPに立ち続けることすら難しいと感じると思います。

3.2 カイトサーフィン

湖や入り江など平水面上ではなく、波のある海で強風時におこなうカイトサーフィンは極めて激しい運動です。腕と肩は常にカイトを保持し、体幹は背筋下部で衝撃を吸収するためのサポートをし、脚はボードの操作や、ジャンプの際のチョッピングやプッシュに対応します。このようにカイトサーファーは休み無く全身の筋肉を使い続けるのです。

安定した風が吹く中での1時間のセッションで、中級レベルの大人の場合、体重60キロの人で約600カロリー、同条件の場合体重80キロの人で約1000カロリーを消費します。

いうまでも無く、水面のコンディションが荒れていれば荒れているほどより多くのエナジーが必要となり、さらに消費カロリーは多くなります。

3.4 ウィンドサーフィン

カイトサーフィンとの多くの共通点があります。かたやカイト、かたやセイルを使って風を利用します。また、使う筋肉も似ています。相違点と言えば、カイトサーファーは常に動き続けるのでよりエアロビックであり、ウィンドサーファーはどちらかと言えば持久力よりもバランス感覚を必要とされる点でしょう。また初心者であるほど落水しやすいので、より多くのカロリーを必要とします。

一般的にカレント(海流)と風の強さによる影響を受けるのですが、60キロの大人が1時間のセッションで消費するのは200~300カロリーで、サーフィンに近いと言えるでしょう。

ただし、上級者になると、1時間あたりの消費カロリーは1000カロリーを超え、サーフィンの上級者よりも多くなります。これはウェイブライディングの際の動作に、波のあわせたボードコントロールが必要なのはサーフィンと同じですが、同時に風による力利用するためにセイルの操作をするという動作が必要になるからです。

3.5 カヌー

パドリングスポーツの中ではカヤックが最もポピュラーなスポーツですが、1時間あたりの消費カロリーはカヌーのほうが高くなります。

実際にやってみると実感できるのですが、カヤックは下半身を伸ばすか、前方で膝を曲げた姿勢で低いシートの上に座っているのに対して、カヌーでは膝立ちするか、高いシートに座った姿勢をとることによってその差異が生じます。

体重が60キロから80キロの間である場合、レジャーとして楽しむペースでパドリングをしたとすると、その消費カロリーは、250から500カロリーの間で、ちょうど初心者から中級者のサーファーが1時間の緩めのセッションをした場合とほぼ同じくらいです。

もちろん、どれだけ速くパドルするかによって消費カロリーは違ってきます。パドルが速いほどエネルギーが必要になり、消費カロリーは高くなります。

レジャーペースよりも速めの、普通くらいの中程度の速度でパドルした場合、体重にもよりますが、1時間当たり、およそ500から800カロリーを消費することになります。

時速およそ9.5キロ(6マイル)以上のスピードでのパドリングは上限に近いもので、上級者がこのペースで1時間パドルする場合、消費カロリーはおよそ900カロリーに到達します。

3.6 スイミング

ワークアウトとして極めてシンプルで、プールか海洋かにかかわらず、まず肩、胸、背中、体幹、臀部、脚の筋肉に有効です。また、持久力を高め、筋肉量が増大し、コレステロールレベルが最適化し、多くのカロリーを消費します。しかも間接への強い衝撃もなく、面倒な道具立ても必要ありません。

ごくゆったりとしたペースのたった1時間のスイムで、体重60キロの人で約350カロリー、80キロの人で約500カロリーを消費します。

ペースをほどほどよりも速め、もしくはかなり速いレベルにすると1時間当たりの消費カロリーは600~800カロリーに及ぶと推測されます。

さらにこれが、様々な付加的要因が加わってくる海洋でのスイムとなると、さらに消費カロリーが高くなります。

4. まとめ

以上のように、消費カロリーと言う観点から見た場合、“カロリー消費の実感”を得るにはサーフィンがトップチョイスというわけではないことがわかると思います。

それでも、いい波のコンディションで密度の高いセッションをした場合、1時間当たり800カロリー以上のカロリー消費が期待できるのです。

つまり2~3時間のセッションをこなすと、ほぼ今晩のディナー1食分くらいのカロリーが消費されるのです。サーフィンが好きであれば、無理せず体型維持ができる手段としてとても有効だと思います。

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3月 25, 2023