サーフボードは私たちの大切なパートナーであり、適切なケアは長く楽しくサーフィンを続けるための重要な要素です。特にEPSボードは従来のPUボードとは異なる特性を持つため、それに適したメンテナンス方法を知ることが大切です。

このガイドでは、EPSサーフボード専門メーカーとして培った知見を活かし、初心者の方でも実践できる基本的なケア方法から、ボードを長持ちさせるための専門的なテクニックまで、詳しく解説していきます。

記事を書いたヒト
nanazero編集部

nanazero編集部 - サーフボードの専門編集チーム。国内外のサーフィンインフルエンサーと連携し、最新のトレンドや技術を追求。サーフボードの設計・製造に携わる専門家を含む多様なメンバーで構成されており、幅広いユーザーに価値ある情報を提供しています。

監修
ヒガシーサー

ヒガシーサー - サーフィン歴20年以上。ブログ歴15年以上。オーストラリア発の科学的サーフィンメソッドを学べるオンラインスクール「コレクトサーフ」のアンバサダーを務め、40代から科学的にサーフィンが上手くなる方法をSNSで発信。初心者〜中級者が楽しめるサーフボードの設計や開発にも携わる。Instagram フォロワー数 35,000人、YouTube登録者数 17,000人。

なぜEPSボードに適切なメンテナンスが重要なのか

EPSサーフボードの特徴とケアの重要性

EPSボードは軽量で扱いやすい反面、適切なケアが重要です

EPSボードは、軽量で取り回しがよく、環境負荷も少ない現代のサーフボードの主流として注目されています。一方で、その特性ゆえに従来のPUボードとは異なるケアが必要です。初心者の方は特に、基本的なケア方法を理解することが重要です。

EPSボードの特徴とケアのポイント

1. 軽量で衝撃に弱い

  • 運搬時の傷つき防止が重要
  • 保管場所の選び方に注意が必要

2. 紫外線の影響を受けやすい

  • 日光対策が重要
  • 保管場所での遮光が必須

3. 水分を吸収しにくい

  • 塩分の結晶化に注意
  • こまめな真水洗いが重要
適切な保管方法でEPSボードを守る

適切な保管方法を選ぶことで、ボードの寿命を大きく延ばすことができます

適切なケアのメリット

1. ボードの寿命を延ばせる

  • 劣化の防止
  • 修理費用の削減

2. パフォーマンスの維持

  • 重量増加の防止
  • フレックスの維持

3. 中古販売時の価値維持

  • 高い買取価格の維持
  • 次のボード購入時の資金に

メンテナンスの基本を押さえることで、初心者の方でも安心してサーフボードを楽しむことができます。では、具体的なケア方法について見ていきましょう。

基本的なケアアイテム:EPSボードのメンテナンスに必要な道具

サーフボードのメンテナンスに必要な道具

基本的なケアアイテムを揃えることで、効果的なメンテナンスが可能になります

サーフボードのメンテナンスを始める前に、適切なケアアイテムを揃えることが重要です。特にEPSボードは傷つきやすい特性があるため、使用する道具の選び方にも注意が必要です。

必須アイテムリスト

1. サーフボードケース

  • 移動時の保護に必須
  • EPSボードの保護に適した厚みのあるものを選択
  • サイズはボードより少し大きめのものを推奨

2. ワックスコーム(ワックスリムーバー)

  • 定期的なワックス除去に使用
  • プラスチック製を選び、金属製は避ける
  • エッジの鋭くないものを選択

3. 真水を入れるバケツまたはウォーターバッグ

  • 使用後の洗浄用
  • 折りたたみ式のものが便利
  • 容量5L以上がおすすめ

4. マイクロファイバータオル

  • 水滴の拭き取り用
  • 柔らかい素材のものを選択
  • 複数枚あると便利

推奨アイテムリスト

1. サーフボードラック

  • 適切な保管のために重要
  • 壁掛けタイプまたはスタンドタイプ
  • EPSボードの重量に適したものを選択

2. ワックスリムーバー

  • 古いワックスの除去に効果的
  • 溶剤タイプまたはスプレータイプ
  • 使用後は十分な換気が必要

使用後のケア手順:EPSボードを長持ちさせるための基本

サーフィン後の基本的なケア手順

使用後の基本的なケアが、ボードの寿命を大きく左右します

サーフィン後のケアは、ボードの寿命を延ばす上で最も重要なステップです。以下の手順に従って、確実なケアを行いましょう。

ステップ1:初期洗浄

1. 真水での洗い流し

  • ボード全体を真水で満遍なく洗う
  • 特にデッキ、レール、フィン周りを丁寧に
  • 温水は使用しない(40度以上の熱でボードが歪む可能性)
フィン周りのケアの重要性

フィン周りは特に入念な洗浄が必要です

2. 塩分除去のポイント

  • フィンボックス周辺は入念に
  • デッキパッド下の隙間にも注意
  • リーシュプラグ周りも確実に

ステップ2:乾燥方法

1. 基本の乾燥手順

  • 日陰で自然乾燥
  • マイクロファイバータオルで水滴を拭き取る
  • 風通しの良い場所に置く
適切な乾燥方法

日陰での乾燥が重要です

2. 注意点

  • 直射日光を避ける
  • 立て掛ける場合はしっかりと固定
  • 風で倒れないよう注意

ステップ3:保管準備

1. チェックポイント

  • ボード全体の乾燥確認
  • 小さな傷や凹みのチェック
  • フィンの緩みがないか確認
保管前の点検の様子

保管前の入念な点検が重要です

日常的なメンテナンス:EPSボードを最高のコンディションに保つために

サーフボードの性能を最大限に引き出すためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。

デッキ面のケア

デッキ面のメンテナンス

定期的なワックスのメンテナンスが重要です

1. ワックスの管理

  • 月1回程度の定期的なワックス除去を推奨
  • 気温が高い日はワックスが溶けやすいため作業がしやすい
  • 日陰で作業を行う

2. ワックス除去の手順

  1. ワックスコームで表面を格子状に削る
  2. ワックスリムーバーを塗布(換気の良い場所で作業)
  3. 古いワックスを完全に除去
  4. マイクロファイバータオルで拭き取り
  5. 完全に乾燥させてから新しいワックスを塗布

ボトム面のケア

ボトム面のケア

ボトム面は水抜けに大きく影響するため、特に丁寧なケアが必要です

1. 基本的な清掃

  • 使用後は必ず真水で洗い流す
  • 特にフィンボックス周りは入念に
  • 水滴はしっかりと拭き取る

2. 傷のチェック

  • 小さな傷や凹みの早期発見が重要
  • 深い傷は早めにリペアショップへ
  • 放置すると水抜けが悪くなる原因に

フィン周りのメンテナンス

フィン周りのメンテナンス

フィンとボードの接続部分は特に注意が必要です

1. フィンの取り外しと清掃

  • 月1回程度はフィンを外して清掃
  • フィンボックス内部の砂や塩を除去
  • フィンキーの紛失に注意

2. フィンボックスのチェック

  • ひび割れや緩みがないか確認
  • 違和感がある場合は専門店で点検
  • 定期的な増し締めを推奨

トラブル予防と対処:EPSボードを長く楽しむために

適切なボードケア

適切なケアで多くのトラブルを予防できます

様々なタイプのサーフボードの中でも、EPSボードは特に適切なケアが重要です。以下のポイントに注意してトラブルを予防しましょう。

よくあるトラブルと予防法

1. デッキ面の凹み

原因:

  • 立て掛け時の接地面への負担
  • 重いものを上に置く
  • 不適切な収納方法

予防法:

  • 必ず横置きで保管
  • ボードラックの使用
  • 移動時はハードケースを使用
適切なボードの保管方法

適切な保管方法で多くのトラブルを防ぐことができます

2. ボトム面の擦り傷

原因:

  • 砂浜での置き方
  • 荒い路面での接触
  • 移動時の不注意

予防法:

  • ビーチでは必ずタオルを敷く
  • 置く場所の確認を徹底
  • 運搬時は必ずケースを使用
ボードの適切な取り扱い

丁寧な取り扱いがボードの寿命を延ばします

プロのリペアが必要なケース

1. 即座にリペアが必要な損傷

  • デッキ面のクラック(ひび割れ)
  • 深い傷や凹み
  • フィンボックスの破損
  • リーシュプラグの緩み

2. 様子を見ながら対応する損傷

  • 表面的な擦り傷
  • 小さな凹み
  • 軽微なデラミネーション(層間剥離)

季節別のケアポイント

季節に応じたボードケア

季節ごとに適切なケアを行うことが重要です

夏季のケア

1. 熱対策

  • 車内放置は厳禁(最悪の場合、ボードが変形)
  • 直射日光を避ける
  • ビーチでの放置時間を最小限に

2. チェックポイント

  • デッキ面のワックス溶け
  • 接着部分の剥がれ(デッキパッドなど)
  • 日焼けによる変色
夏季のボードケア

夏季は特に熱対策が重要です

冬季のケア

冬季のボードケア

冬季は特に水分管理が重要です

1. 寒冷対策

  • 急激な温度変化を避ける
  • 使用後は完全に乾燥させる
  • 結露対策として風通しの良い場所で保管

2. チェックポイント

  • 結露による水滴の残留
  • フィンボックス内部の水分
  • ワックスの硬化具合

長期保管時の準備

長期保管の準備

長期保管時は特に入念な準備が必要です

1. 保管前の整備

  • 完全なワックスオフ
  • 入念な清掃と乾燥
  • 傷の有無の最終チェック

2. 保管環境の整備

  • 温度:室温(20度前後)
  • 湿度:50-60%程度
  • 日光:完全遮断
  • 置き方:横置き

まとめ:EPSボードを長く楽しむためのポイント

適切なケアで長く楽しむ

適切なケアを続けることで、長くボードを楽しむことができます

1. 日常的なケアの重要性

  • 使用後の真水洗い
  • こまめな点検
  • 適切な保管方法の遵守

2. メンテナンスチェックリスト

  • □ 使用後の洗浄
  • □ 水滴の完全な拭き取り
  • □ フィンの緩みチェック
  • □ 傷・凹みのチェック
  • □ 適切な場所への保管

3. 定期的なケアサイクル

  • 毎回:洗浄、乾燥
  • 週1回:全体チェック
  • 月1回:ワックス交換、詳細点検
  • 季節の変わり目:総点検

サーフボードは適切なケアを行うことで、その性能と寿命を最大限に引き出すことができます。特にEPSボードは環境に優しい素材で作られており、適切なメンテナンスを行うことで、長く愛用することができます。この記事で紹介したケア方法を実践し、あなたのボードと長く楽しい時間を過ごしてください。

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11月 01, 2024