サーフボードのサイズ選びに迷っていませんか?「体格に合っているのか分からない」「将来のステップアップを考えると何を選べばいいのか」という声をよく耳にします。

この記事では身長・体重だけでなく、経験レベルも考慮した最適なサーフボードサイズの選び方を、サーフボードメーカーの視点から徹底解説します。表やチャートを使って分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

記事を書いたヒト
nanazero編集部

nanazero編集部 - サーフボードの専門編集チーム。国内外のサーフィンインフルエンサーと連携し、最新のトレンドや技術を追求。サーフボードの設計・製造に携わる専門家を含む多様なメンバーで構成されており、幅広いユーザーに価値ある情報を提供しています。

監修
ヒガシーサー

ヒガシーサー - サーフィン歴20年以上。ブログ歴15年以上。オーストラリア発の科学的サーフィンメソッドを学べるオンラインスクール「コレクトサーフ」のアンバサダーを務め、40代から科学的にサーフィンが上手くなる方法をSNSで発信。初心者〜中級者が楽しめるサーフボードの設計や開発にも携わる。Instagram フォロワー数 35,000人、YouTube登録者数 17,000人。

サーフボードサイズの基本知識

サイズが合っていないとどうなるのか?

  • パドリングが難しく波に乗れない(小さすぎる場合)
  • 操作性が悪く、上達が遅くなる(大きすぎる場合)
  • 思うようなサーフィンができないストレス
  • 怪我のリスク増加

サーフボードサイズの3つの重要な要素

1. 長さ(Length)

  • 安定性とマニューバビリティのバランス
  • 初心者ほど長めのボードが推奨

2. 幅(Width)

  • 浮力と安定性に影響
  • パドリングのしやすさを左右

3. 厚み(Thickness)

  • 浮力の大きな要素
  • 体重との関係が重要
サーフボードの各部位の説明
ミッドレングスサーフボードMID02。適度な長さと幅により、安定性と操作性のバランスが取れています。

体格別の適正サイズガイド

サーフボードのサイズ選びで最も重要なのが、体格に合わせた適正なサイズ選択です。ここでは身長と体重から見る基本的な選び方と、体型別の特徴や注意点を詳しく解説します。

身長・体重別おすすめサイズ表

身長 体重 推奨ボリューム
(初心者)
推奨ボリューム
(中級者)
160cm以下 50kg 30L~ 25L~
160-170cm 60kg 35L~ 30L~
170-180cm 70kg 42L~ 35L~
180cm以上 80kg以上 48L~ 42L~

※ 上記の数値は一般的な目安であり、ショートボードではなく、誰でも乗りやすいミッドレングスサイズを想定しています。波のコンディションや目的に応じて調整が必要です。

※ サーフボードはアンダーフローにならなければ、基本的にサーフィンを楽しめます。そのためボリュームの上限ではなく、下限を知ることが大切です。

体型別の特徴と注意点

標準体型の場合

標準体型のサーファーがMID02を使用している様子
標準体型のサーファーの場合、MID02(7'0" - 45.7L)のような中間的なサイズが扱いやすい

がっちり体型の場合

細身のサーファーがリラックスして乗るのにも、がっちり体型の方でも安定して乗れるMini Malの使用例
  • 表の推奨値より5-10L増やすことを推奨
  • 幅のあるボードを選ぶことで浮力を確保
  • 初心者の場合は特に初心者向けサーフボードから選択がおすすめ

スリム体型の場合

スリム体型のサーファーがFish IIを使用している様子
スリム体型のサーファーの場合、Fish II(5'8" - 31L)のような軽快なボードも扱いやすい
  • 表の推奨値より3-5L少なめでも対応可能
  • 機動性の高いボードを選びやすい
  • ただし初心者の場合は十分な浮力の確保が重要

経験レベル別の選び方

サーフボードのサイズは、サーファーの経験レベルによって大きく変わってきます。ここでは経験レベル別の最適なサイズ選びと、実際のおすすめモデルを紹介します。

初心者(サーフィン歴1年未満)

初心者でも安定して乗れるMini Malの乗り心地。波に乗る楽しさを体感できます。

推奨スペック

  • 長さ:7'6"〜8'0"
  • ボリューム:体重の60%以上(例:体重70kgの方は42L以上)
  • 幅:21インチ以上

おすすめモデル

中級者(サーフィン歴1-3年)

中級者向けミッドレングスでのライディング
MID02ツインで軽快なターンを楽しむ中級サーファー。安定性とパフォーマンス性のバランスが特徴です。

推奨スペック

  • 長さ:6'6"〜7'6"
  • ボリューム:体重の50%以上
  • 幅:19-21インチ

おすすめモデル

上級者(サーフィン歴3年以上)

上級者向けショートボードでのダイナミックなライディング
SH04ハイパフォーマンスでのダイナミックなライディング。軽量化により高い運動性を実現しています。

推奨スペック

  • 長さ:5'7"〜6'2"
  • ボリューム:体重の40%以上
  • 幅:18-19インチ

おすすめモデル

波のコンディション別の選び方

サーフボードのサイズ選びでは、よく行くポイントの波のコンディションも重要な判断材料となります。ここでは波の大きさ別に、最適なサイズ選びのポイントを解説します。

小波(膝〜腰サイズ)

小波でも十分な推進力が得られるLOG02の特性がよく分かります。波のパワーが弱い時こそ、適切なサイズ選びが重要です。

推奨される特徴

  • 十分なボリュームがあり、パドルがしやすい
  • やや幅広で浮力がある
  • フラットなロッカー(スピードが出やすい)

中波(腰〜肩サイズ)

中波での理想的なライディングを可能にするMID04の性能。オールラウンドに使えるサイズ選びの好例です。

推奨される特徴

  • 操作性と安定性のバランスの取れたサイズ
  • 中程度のロッカー
  • 経験レベルに応じた適度なボリューム

大波(頭サイズ以上)

大波でのライディング
大きな波での安定したコントロールには、適切なサイズ選択が不可欠です。

推奨される特徴

  • コントロール性を重視したサイズ選択
  • やや強めのロッカー
  • 経験に応じた適切なボリューム調整

波のサイズ別おすすめボリューム早見表

波のサイズ 初心者 中級者 上級者
小波 体重の70%以上 体重の60%以上 体重の50%以上
中波 体重の65%以上 体重の55%以上 体重の45%以上
大波 非推奨 体重の50%以上 体重の40%以上

※ これらの数値は一般的な目安です。実際の選択では、個人の体力や技術レベル、波の質なども考慮する必要があります。

 

実践的なサイズ選びの4ステップ

ここまで説明してきた内容を踏まえて、実際のサーフボードサイズの選び方を4つのステップで解説します。失敗しないサイズ選びのために、以下の手順に従って検討してみましょう。

STEP1:現在の実力を正直に評価する

サーフボードのサイズ選びで最も重要なのが、自分の実力を適切に評価することです。以下のチェックリストで自分の実力レベルを確認してみましょう。

実力レベルチェックリスト

  • □ テイクオフを8割以上成功できる
  • □ ボトムターンができる
  • □ 波の大きさに関係なくテイクオフできる
  • □ カットバックができる
  • □ 波を選んでキャッチできる

※ 3つ以上当てはまる場合は中級者、すべて当てはまる場合は上級者レベルと考えられます。

STEP2:主に乗る波のコンディションを考える

波のコンディションを確認するサーファー
普段サーフィンするポイントの波の特徴を把握することが、適切なサイズ選びにつながります。

波のコンディションチェックポイント

  • □ 年間を通じた平均的な波のサイズ
  • □ 波のパワーの強さ(ブレイクの速さ)
  • □ 波の面の長さ(ライディング可能な距離)
  • □ 季節による波の変化

STEP3:体格から基準値を算出する

基準となるボリュームは、以下の簡単な計算式で算出できます。ただし、これはあくまで出発点であり、実力や波のコンディションに応じて調整が必要です。

ボリュームの基準値計算式

  • 初心者:体重(kg) × 0.6 = 推奨ボリューム(L)
  • 中級者:体重(kg) × 0.5 = 推奨ボリューム(L)
  • 上級者:体重(kg) × 0.4 = 推奨ボリューム(L)

例)体重70kgの中級者の場合:
70 × 0.5 = 35L が基準値となります。

STEP4:最終的なサイズ決定

様々なサイズのサーフボード
基準値を元に、実際のボードを比較検討することで最適なサイズが見つかります。

最終チェックリスト

  • □ 基準値からの調整(波のコンディションに応じて)
  • □ 将来の上達を考慮したサイズ選択
  • □ 体力や運動神経を考慮した微調整
  • □ 保管場所や持ち運びの制約確認

よくある失敗とその対策

失敗例1:実力以上に小さいサイズを選ぶ

憧れのプロサーファーが使用しているようなサイズを選んでしまい、テイクオフすらできない状況に陥るケースです。

対策

  • 現在の実力に合ったサイズから始める
  • 段階的なサイズダウンを計画する
  • 無理のない範囲でステップアップを目指す

失敗例2:体重だけで判断する

体重のみを基準にサイズを選び、波のコンディションや経験値を考慮しないケースです。

対策

  • 普段サーフィンする波の特徴を考慮
  • 自身の経験レベルを正直に評価
  • 体力や運動神経も判断材料に入れる

失敗例3:将来性を考えないサイズ選び

現在の実力にのみ焦点を当て、上達後の使用を考慮しないケースです。

対策

  • 半年〜1年後の目標を考慮したサイズ選び
  • 段階的なステップアップを想定
  • 適度なチャレンジ要素を含んだ選択

まとめ:失敗しないサーフボードサイズ選び

サーフボードのサイズ選びは、サーフィンの楽しさを左右する重要な要素です。この記事のポイントを整理しておさらいしましょう。

サイズ選びの重要ポイント

基本の3ステップ

  1. 自分の実力を正直に評価する
    • テイクオフの成功率
    • 波のキャッチ力
    • ターンの技術レベル
  2. メインで乗る波を考慮する
    • 波のサイズ
    • ブレイクの特徴
    • 季節変動
  3. 体格に合わせた適正値を算出する
    • 身長と体重のバランス
    • 体力レベル
    • 年齢による考慮

経験レベル別おすすめサイズ早見表

経験レベル 推奨サイズ範囲 ボリューム目安
初心者 7'6"〜9'0" 体重の60%以上
中級者 6'6"〜7'6" 体重の50%以上
上級者 5'7"〜6'2" 体重の40%以上

最後に:理想的なサイズ選びのために

適切なサイズ選びにより、このような自由自在なサーフィンを楽しむことができます。

サーフボードのサイズ選びに絶対的な正解はありません。この記事で紹介した基準を参考にしながら、以下の点を意識して選んでいくことをおすすめします:

  • 現在の実力に適したサイズから始める
  • 上達に合わせて段階的にサイズを変更していく
  • 波のコンディションに応じた適切なサイズを選ぶ
  • 自分のサーフィンスタイルに合ったサイズを探求する

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11月 01, 2024