サーフィンのパドリングで疲れにくくなる方法!誰でも簡単に実感できるカラダの仕組みを使った漕ぎ方
こんにちはnanazero編集部です。本記事ではサーフィンで疲れにくいパドリングのやり方を解説していきます。
サーフィンのパドリングって疲れますよね。初心者の頃はピークに辿り着けない、ピークに戻れないことも多く挫折することが多いです。
でも、周りのサーファーを見るとスイスイ進んでいくし、パドリングがすごく速いなと感じて更に落ち込むこともあるでしょう。
でも大丈夫です。実はパドリングにはコツがあって、そのコツを実践すれば誰でも疲れにくくなり、4時間サーフィンしてもパドリングで疲れないようになることも可能です。
パドリングしんどいなって感じることがある方はぜひ、本記事の内容を実践してみてください。
1. サーフィンのパドリングについて
サーフィンのパドリングには2つの目的があります。1つは沖に向かうためのパドリング。もう一つは波に乗るためのパドリングです。
サーフィンはボディサーフィンを省くと、サーフボードを使います。
パドリングはサーフボードの上に乗り、腹ばいの状態で水面を漕ぐ動作のことを言います。
経験者は沖に向かうパドリングと、波に乗るパドリングの2つのパドリングを無意識で使い分けることができるため、初心者さんに比べると疲れにくいです。
しかし、目的が違うことを教えてもらえることはないため、サーフィン初心者〜初級者は常に全力でパドリングをしてしまい疲れやすくなります。
1.1 EPSサーフボードとPUサーフボードでパドリングは変わるのか?
サーフボードの素材はいくつかありますが、nanazeroサーフボードはEPS素材を採用しています。
基本的にはEPS製、PU製でパドリングを使い分ける必要はありません。基本的には「沖に向かうパドリング」と「波に乗るパドリング」の2つを繰り返すことが大事です。
ただしサーフボードのサイズや形状、ボリュームによって、サーフボードに合わせたパドリングを行う必要があります。
1.2 海のパワー7割、サーフボード2割、カラダの使い方1割
サーフィンのテクニックやハウツーは根性論が多く、その最たる例がパドリングです。
例えば、よく言われている「パドル筋」にまつわる話は「パドル筋が足りない」「パドル筋を鍛える」のように、まるでパドリングが遅いのは筋力が足りていないからだと思ってしまいます。
しかし、実はパドリング動作のために必要な筋力は重要度で言うと1割未満でしかありません。
サーフィンのパドリングで大事なことは海の力とサーフボードの力をしっかり使うことです。
例えば、海にはカレント(潮の流れ)があります。もしパドル筋と言われるものが存在するなら海のカレントに逆らって進むこともできるでしょうが、実際にカレントに逆らって進むことは非常に難しいです。
また波をキャッチする時も、パドル筋で波をキャッチできるなら、サーフボードは短く薄いもので良いはずです。
しかし、現実にはそうなっていません。
サーフィンは筋力が少ない小さな子供でも沖に出れるし、波にも乗れます。体力が衰えてきたご年配の方でも同様に波をキャッチできます。
もしもパドリング=筋力という理論であるなら、子どもの方が大人よりもパドリングや波キャッチが速い理由を説明できなくなります。
覚えておきたいのは、ヒトの力は小さく、海の力は強大であるということ。そして海の力を味方にするのはサーフボードだということを理解することが大事です。
2. 疲れやすいパドリングと疲れにくいパドリングの違いは?
サーフィンのパドリングで大事なことは海の力、サーフボードの力、カラダの力を効率よく使うことです。
疲れやすいパドリングは上腕の小さな筋肉を使ったパドリングです。カラダの仕組みなので意識でどうにかなる問題ではありません。
親指を下にして水を掻くと、前腕と上腕の力を使って水を掻くことになります。前腕と上腕の筋肉は小さいのですぐに疲労が溜まります。いわゆる乳酸が溜まる状態ですね。
しかし、小指を下にして水を掻くと、肘を引くことができるので、肩甲骨と背中の広背筋を使うことができます。背中の筋肉は前腕や上腕と比べて大きい筋肉なので、疲労が溜まりにくく、疲れにくくなります。
疲れやすいパドリングは、疲れやすい科学的根拠があり、疲れにくいパドリングも科学的根拠があります。
根性やパドル筋といったものではなく、カラダの仕組み上そうなっているだけなんですね。
3. 疲れにくいゲッティングアウトのパドリング
- 笑顔
- 足を閉じる
- お尻を締める
- 背中は無理に反らさない
- リラックスする
- 呼吸をしながら漕ぐ
- 小指から水に入れる
- 肘を引くように漕ぐ
- 浅く漕ぐ
上記9つのポイントを意識して、波が割れているところまでパドリングをしてみてください。
最初は遅いと感じるし、進んでる気がしないかもしれませんが、続けていくと岸から600m以上離れているピークに往復しても疲れないパドリングができるようになります。
4. 肩を脱臼しにくいテイクオフの時のパドリング
- なるべく笑顔で
- 後方確認をしながら波とタイミングを合わす
- 深く腕を入れて漕ぐ
- アゴをボードに付けない
- 力で漕がない
- 足を閉じてお尻を締める
- バタ足をしない
- ダブルパドルしない(両手で漕がない)
- 下を見ないようにする
テイクオフの時のパドリングも上記9つのポイントを意識して、パドリングするようにしましょう。
基本的には沖に向かうパドリングと同じですが、慣れていない場合はいつも通りのパドリングでもOKです。
ただ、アゴをボードに付けたり、力で漕いだりはしないようにしてください。速さばかりを重視したパドリングを続けると肩を脱臼しやすくなります。
事実、筆者は両肩に脱臼癖があり、その原因は「アゴをボードにつけて、肘を肩の位置より高い位置に上げて、力んだ状態でパドリングをしてきた」ことでした。
テイクオフの時は焦ってしまいますが、とにかく力まないことを意識してみましょう。
5. パドリングは速く漕がない方が良い理由
波をキャッチするためにはパドリングが速くなければいけない。このような考え方は半分正解で半分間違いかもしれません。
なぜならパドリングは速くしても波に乗れるわけではないからです。それに、パドリングを速く漕ごうとすると、さまざまなデメリットが生まれます。
- 力んでしまってカラダが固くなる
- 力んでいるから関節の可動域が小さくなって怪我に繋がる
- 波のタイミングに合わせないから波をキャッチできない
パドリングを自分の力だけで速くしようとすると、上記のようなデメリットが生まれてしまいます。
速くパドリングしようとすれば、するほど結果的に逆効果になることが多いんです。
5.1 力むとブレる
サーフボードは不安定な乗り物です。しかし不安定でも波とタイミングを合わせることで波のエネルギーをキャッチすることができます。
ここで力は必要ありません。
パドリングを速くしようとして力んでしまうと、大抵の人間はバランスが悪くなります。
バランスが崩れるとサーフボードが左右にブレてしまい、スムーズに進み出すことができなくなります。
パドリングは一切の力みをなくして、リラックスした状態で行うのが結果的に最も速いパドリングになります。
5.2 漕ぐ回数で波をキャッチできるわけではない
サーフィン初心者の頃に「もうひと漕ぎだった」と言われたり、聞いたことありませんか?
漕ぐ回数を増やすことで、波をキャッチする確率が上がるというのは実は関係性がありません。
自転車の世界では「ケイデンス」と呼ばれるペダルを漕ぐ回転数を表す言葉があります。
ケイデンスを上げると、例えば坂道を登るときなどは推進力を生み出しやすくなります。
このような経験値があるため、サーフィンでもランニングでも回転数を上げればいいと思ってしまいますよね。
サーフィンの場合、腕を回して回転数を上げてもパドリングのスピードが上がるわけではありません。むしろ遅くなります。
パドリングで腕を回すように回転数を上げてしまうことを、オーストラリアでは「ローリング」と言われたりします。
このように回転数を上げることが間違いだと気づかないと、両肩の脱臼にも繋がってきます。
サーフボードは回転数ではなく、サーフボードの下に水流を生み出すことで推進力が生まれます。
5.3 ゆっくり漕ぐことで推進力が生まれる
沖に向かうときのパドリングは、ジョギングのようなイメージで、浅く軽く漕ぐと疲れにくくなります。
テイクオフの時のパドリングは、短距離走のようなイメージで、深くゆっくり漕ぐと波をキャッチできます。
自転車で例えると、沖に向かうときはギア1で漕いで、テイクオフの時はギア7で漕ぐようなイメージですね。
ギアを上げると、漕ぎ出しは重く遅く感じますが、その分、ひと漕ぎの推進力は大きくなります。
5.4 サーフボードの形や大きさに合わせてパドリングを変えよう
ショートボードのパドリングとロングボードのパドリングは、同じように見えて実は全然違います。
例えば競技サーファーのパドリングは、競技サーフィンで勝負するために鍛え上げられたパドリングです。
一般サーファーのパドリングと違って、サーフボードも違うし、サーフィンをする目的も違います。
ショートボード、フィッシュ系のサーフボード、ミッドレングス、ロングボード。そのサーフボードの特性に合わせてパドリングは変えてもいい。このように考えて行うと怪我や失敗は少なくなります。
6. EPSサーフボードでパドリングを安定させる方法
EPS製サーフボードはPU製と比べて、ボリューム単位の水から浮く力が強いです。そのためPU製サーフボードに乗り慣れてる方は少しフワフワした印象で安定しないと感じるかもしれません。
ではどうやったらEPS製サーフボードのパドリングを安定させられるのか、そのことについてまとめていきます。
6.1 真ん中の軸を意識する
EPS製サーフボードはPU製サーフボードよりも、カラダの真ん中の軸を意識するようにしましょう。
サーフボードの形状にも左右されますが、水から浮く力が強いため、体軸の小さなズレでもサーフボードにブレが伝わりやすくなります。
しかし軸を安定させると、非常にスムーズで速いパドリングができるようになるので、軸を意識することが大事です。
6.2 練習する
EPS製サーフボードとPU製サーフボードは、野球で例えると木製バットと金属バットぐらいに違うものだと考えてください。
例えば、小学校から高校生まで金属バットで過ごしてきて、大学生からいきなり木製バットに切り替えた時に違和感を感じるでしょう。
しかし、小学校から木製バットで過ごしてきた場合、木製バットを使いにくいと感じることはないはずです。
EPSサーフボードがイマイチだと感じるのは、練習してきた経験値が少ないためなんですね。
どちらにも特性があるので、EPS製でもPU製でも、ソフトボードでも同じように乗れるように練習をすることが大切です。
7. パドリングと水泳のクロールが違う理由
サーフィンのパドリングは平行運動になり、水泳のクロールは回転運動になります。
7.1 サーフィンのパドリングは並行運動
サーフィンのパドリングは、サーフボードの上に乗って、水面に対して水平に進んでいく漕ぎ方になります。
サーフボードにブレを伝えないことが大切なので、水面とサーフボードの間に一本の線が引かれているイメージですね。
この線の軸が上下にズレてしまうとサーフボードが水の抵抗を受けてしまうので、なるべく軸が上下左右にズレないようにパドリングすることが大切です。
7.2 クロールは回転運動
水泳のクロールはカラダの中心に縦の線を1本引かれているイメージになります。
サーフィンのパドリングとは違い、カラダの軸を左右に回転させながら、まっすぐ進んでいく泳ぎ方です。
この時、親指から水面に入れて、なるべく遠くの方から漕ぐのがクロールの動きです。
そうすることで速く泳げるという小学校のプールの授業で学んだため、サーフィンでも同じように漕ごうとする方が多いです。
クロール泳法は自分の体を中心にした非常に推進力の高い泳ぎ方ですが、サーフィンのパドリングとは運動力学が違うんですね。
8. まとめ
- 疲れやすいパドリングは力で漕いでいる
- 疲れにくいパドリングはカラダの仕組みを使う
- パドリングは速く漕がなくてもいい
- EPS製でもPU製でも乗れるように練習をしよう
- パドリングとクロールは運動力学が違う
以上が疲れにくいパドリングの実践方法でした。筆者はこの方法に出会ったことで、怪我もなく、疲れることも少なくなり、サーフィンを長く続けることができています。
nanazero サーフボード は一般サーファーがパドリングで疲れにくく、波キャッチも速いモデルを多く取り揃えています。
一般サーファーが楽しめるように設計されているサーフボードなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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