カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。環境省はそう定義しています。
ここでよく誤解されるのが「排出をゼロにすること」という読み方です。そうではありません。出す量から吸収する量を差し引いて、合計を実質的にゼロにする、という意味です。
この記事では、定義と目標年、そして「差し引きゼロ」という考え方の中身を、出どころを添えて整理します。
カーボンニュートラルの定義
環境省の脱炭素ポータルに、そのまま書かれています。
「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
日本の宣言は2020年10月です。政府が、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すと表明しました。
注記もついています。ここでの「排出量」「吸収量」は、いずれも人為的なものを指します。火山や自然のはたらきによる分は含みません。
出典:環境省 脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」。2026年9月11日に確認しました。
「排出ゼロ」との違い
言葉が似ているので混ざりやすいところです。指しているものが違います。
| 言い方 | 意味するところ |
|---|---|
| 排出ゼロ | そもそも出さない。現実には達成が難しい |
| カーボンニュートラル | 出した分を吸収する分で相殺し、差し引きでゼロにする |
だから達成には2つの方向が必要です。環境省の説明も「温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化をする必要があります」となっています。
減らすだけでも、吸収を増やすだけでも足りません。両方です。
2つの方向とは何か
出す量を減らす
発電を化石燃料から太陽光や風力に替える。建物の断熱を上げる。使う機器の効率を上げる。移動手段を替える。このあたりが並びます。
日本の電源構成の目標については、クリーンエネルギーの記事で数字を整理しました。2040年度の見通しで再生可能エネルギーが4〜5割程度、というのが現行の計画です。
吸収する量を増やす
環境省の定義が例に挙げているのは、植林と森林管理です。木は育つあいだに二酸化炭素を取り込むので、その分を吸収量として数えられる。そういう仕組みです。
海も吸収に関わっている場所です。植物プランクトンや海草、マングローブが炭素を取り込む働きは「ブルーカーボン」と呼ばれます。一般的にも吸収源の候補として語られるようになりました。どれだけ数えられるかは、まだ整理が進んでいる段階です。
海に入る人に関係するところ
海は、大気とのあいだで熱と二酸化炭素のやりとりを調節しています。化石燃料を燃やして出た分の多くを、海が受け取ってきました。
その結果として進んでいるのが、水温の上昇と海水の酸性化です。サンゴの白化や、貝が殻をつくりにくくなるといった変化は、ここにつながっています。
いっぽうで、個々のサーフスポットの波質がどう変わるのかまでは、一般にもまだはっきりしていません。海の環境については、地球について知るのページにもう少し詳しくまとめています。
nanazero がやっていること
私たちは2021年12月から、売上の1%を「1% for the Planet」を通じて環境保護団体に寄付しています。利益が出た年だけではありません。毎年の売上に対してです。2023年6月からは、WWFジャパンの法人会員として活動を応援しています。
これを書いたのは、寄付が特別なことだと言いたいからではありません。会社の姿勢は文章で書けてしまうので、確かめられる形のものを挙げておきたいという理由です。
よくある質問
カーボンニュートラルと脱炭素は同じ意味ですか
厳密には違います。カーボンニュートラルは「排出量と吸収量を均衡させる」という状態を指す言葉です。脱炭素はそこへ向かう取り組み全体を指す、より広い言い方として使われています。
個人でできることに意味はありますか
達成に必要な規模は、発電や産業の構造を変える話です。個人の行動だけで届く量ではありません。
ただ、何にお金を払うかは選べます。どの電気を使うか、どの会社の製品を買うか。選ばれる基準が変われば、つくる側も変わります。そこは個人の側にある部分です。
木を植えれば出した分は打ち消せるのですか
単純には打ち消せません。吸収量として数えられるのは人為的な植林や森林管理による分で、量にも限りがあります。だから環境省の説明も、削減と吸収の両方が必要だという書き方になっています。
まとめ
カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。「出さない」ではなく「差し引きでゼロ」。日本は2020年10月に、2050年までの実現を目指すと宣言しました。
達成には、出す量を減らすことと、吸収する量を増やすことの両方が必要になります。どちらか片方では届きません。
海は、その二酸化炭素をいちばん多く受け取ってきた場所です。波に乗る側からすると、遠い話ではありません。
この記事について
サーフィン初級者から20年以上のベテランサーファーまで在籍する「nanazero編集部」が企画・執筆を行いました。
この記事の根拠 定義、2020年10月の宣言、「差し引きでゼロ」の意味、削減と吸収の両方が必要という説明は、環境省 脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」で確かめました(2026年9月11日)。引用は原文どおりです。寄付の開始時期は自社の公開ページに基づきます。
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