クリーンエネルギーとは、使うときに温室効果ガスをほとんど出さないエネルギーのことです。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどが代表で、海の波を使う波力発電もこの仲間に入ります。

ただしこの言葉には、はっきり決まった定義がありません。何を含めて何を含めないかは、使う人によって変わります。この記事では、まずそこを整理します。そのうえで種類ごとの特徴と弱点、日本がいまどのあたりにいるのかを、確かめた資料とともにまとめました。

クリーンエネルギーとは何か

定義は一つに決まっていない

「クリーンエネルギー」は、法律で定義された用語ではありません。使うときに二酸化炭素や大気汚染物質をあまり出さない、という点に注目した呼び方です。

そのため範囲が揺れます。ほとんどの場合は太陽光や風力を指しますが、発電中に二酸化炭素を出さないという理由で原子力を含める場合もあります。逆に、燃やす過程がある以上バイオマスは含めない、という立場もある。使う人によって線引きが違います。

言葉として曖昧なぶん、ニュースで目にしたときは「ここでは何を指しているのか」を確かめたほうが誤解が減るはずです。

再生可能エネルギーとの違い

再生可能エネルギーは、使ってもまた自然に補充される資源を指します。太陽の光、風、川の流れ、地下の熱、生き物由来の資源です。着目点が「資源が尽きるかどうか」にあります。

いっぽうクリーンエネルギーは「排出が少ないかどうか」に着目した言い方です。重なる部分は大きいものの、同じ意味ではありません。この記事では、混乱を避けるために再生可能エネルギーを中心に扱います。

主な種類と、それぞれの弱点

種類ごとに強みと弱みがはっきり分かれます。ひとつで全部を担えるものはありません。

種類 何を使うか 弱いところ
太陽光 太陽の光 夜は発電しない。天気で量が変わる
風力 風の力 風がやむと止まる。設置場所が限られる
水力 高いところから落ちる水 適した地形が必要。大規模だと周辺環境を変える
地熱 地下の蒸気や熱水 場所が限られる。掘るまで結果が読めない
バイオマス 木材、農作物、食品の廃棄物 燃料を集めて運ぶ手間とコストがかかる
波力・潮力 波の動き、潮の流れ 実用化の途上。装置が海で傷む

天気で量が変わる、という共通の弱点

太陽光と風力は、日本の再生可能エネルギーの伸びを引っぱっている二つです。ただしどちらも、発電する量を人間の側で決められない。曇れば減り、風がやめば止まります。

電気は、使う量と作る量が常に釣り合っていないと送電網が不安定になる。だから太陽光と風力を増やすほど、蓄電池や送電網の整備が同時に要ります。パネルを並べれば済む話ではない、というのがここの要点です。

バイオマスは「二酸化炭素を出さない」わけではない

ここは誤解されやすいところです。バイオマス発電は木材などを燃やすので、燃やす瞬間には二酸化炭素が出ます。

それでも脱炭素の手段に数えられるのは、考え方の前提があるからです。燃やして出る分は、その植物が育つあいだに吸った分と行き来している。だから全体としては増えない、と数えます。これをカーボンニュートラルと呼びます。

つまり「出さない」ではなく「差し引きで増えない」という考え方です。だから前提が崩れることもあります。育つより早く伐って燃やす場合や、遠くから運ぶために燃料を大量に使う場合です。

いいところと、正直に見た課題

利点はおもに三つです。使うときの温室効果ガスが少ないこと。資源が枯れる心配が小さいこと。そして輸入した燃料に頼る度合いを下げられることです。

日本のエネルギー自給率は2023年度の速報値で15.2%でした。使うエネルギーの大部分を海外から買っている状態です。国内で作れる電源が増えれば、この数字は動きます。

課題も三つあります。天気で発電量が変わること。導入にお金がかかること。そして大きな設備には土地が要り、地元の合意と環境調査に時間がかかることです。

最後の点は、海の近くでも起きています。洋上の風車や波力の装置は、沿岸の景色や漁業、生き物の生息域に関わります。「クリーンだから無条件でよい」とは言えません。

日本はいま、どのあたりにいるのか

国の方針は「エネルギー基本計画」にまとまっています。現行のものは第7次で、2025年2月18日に閣議決定されました。その前の第6次は2021年(令和3年)10月に策定されたものです。

この計画に添えられた2040年度の見通しでは、電源構成の数字がこうなっています。

項目 2023年度(速報値) 2040年度(見通し)
再生可能エネルギー 22.9% 4〜5割程度
原子力 — 2割程度
エネルギー自給率 15.2% 3〜4割程度
発電電力量 9,854億kWh 1.1〜1.2兆kWh程度

出典:資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月・PDF)8ページの参考資料。2026年9月11日に確認しました。

見通しには幅がついています。不確かな要素が多いので、ひとつの数字ではなく範囲で示す、という書き方になっています。

もうひとつ押さえておきたいのは、電気の使用量そのものが増える前提で作られている点です。9,854億kWhから1.1〜1.2兆kWh程度へ、という数字がそれを表しています。データセンターや半導体工場の電力需要を織り込んだ見通しです。分母が増える中で割合を倍近くまで上げる、という話になります。

伸ばす中心は太陽光と風力

同じ資料には、電源ごとの内訳も載っています。太陽光は2023年度の9.8%から2040年度は23〜29%程度へ。風力は1.1%から4〜8%程度へ、という見通しです。

風力の伸び幅が大きく見えますが、出発点が1.1%なので、実際にはほぼゼロから作り上げる話になります。ここに洋上風力が関わってきます。海の上に風車を並べる計画は、沿岸で波に乗る人にとっても無関係ではありません。

海に入る人にとって、どこがつながっているか

海は大気との熱のやりとりを調節しています。化石燃料を燃やして出た熱と二酸化炭素の多くを、海が受け取ってきました。その結果、水温の上昇と海水の酸性化が進みました。

サンゴの白化や、貝が殻を作りにくくなるといった変化は、この酸性化と結びついています。私たちが波を待っている場所で、静かに進んでいる変化です。

個々のサーフスポットの波質がどこまで変わるのかは、一般にもまだはっきりしていません。海の環境の話は、こちらのページにもう少し詳しくまとめています。地球について知る

nanazero がやっていること

私たちは2021年12月から、売上の1%を「1% for the Planet」を通じて環境保護団体に寄付しています。利益が出た年だけではありません。毎年の売上に対してです。2023年6月からは、WWFジャパンの法人会員として活動を応援しています。

寄付の話をここに書いたのは、それが正しいと主張したいからではありません。「環境に配慮しています」と書くだけなら誰でもできるので、確かめられる形にしておきたいという理由です。

サーフボードの素材と環境の関係

サーフボードの素材と環境負荷の関係は、製造のしかたやリサイクルのしやすさなど、いろいろな角度から語られています。一般的にはそう言われている、という範囲の話です。

そのぶん、私たちは自分たちの手で確かめられることに力を入れています。長く使える一本を作ること。それがいちばん無駄を減らすと考えているからです。

よくある質問

クリーンエネルギーと再生可能エネルギーは同じ意味ですか

同じではありません。再生可能エネルギーは「資源が自然に補充されるか」に着目した言葉です。クリーンエネルギーのほうは「排出が少ないか」に着目しています。重なる範囲は広いものの、クリーンエネルギーには決まった定義がなく、原子力を含める使い方もあります。

日本の再生可能エネルギーの割合はどのくらいですか

2023年度の速報値で22.9%です。国の第7次エネルギー基本計画に添えられた2040年度の見通しは、4〜5割程度となっています。出典は資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)で、2026年9月11日に確認しました。

波力発電はもう実用化されているのですか

実証や試験の段階にとどまっています。波のエネルギー自体は大きい。ただし装置が海水と波の力で傷みやすく、維持のコストが課題として残ります。太陽光や風力のように広く普及するには、まだ時間がかかります。

まとめ

クリーンエネルギーは、排出の少なさに着目した呼び方です。定義は一つに決まっていません。種類ごとに強みと弱点が分かれ、天気に左右される電源を増やすには蓄電池と送電網の整備が並行して要ります。

日本の再生可能エネルギーは2023年度の速報値で22.9%、2040年度の見通しは4〜5割程度です。電気の使用量が増える前提の中で、この割合を上げていく計画になっています。

海に入る人にとっては、水温と酸性化という形で関わってくる話です。数字と出典を手元に置いておくと、ニュースの見出しに振り回されずに読めます。

この記事について

サーフィン初級者から20年以上のベテランサーファーまで在籍する「nanazero編集部」が企画・執筆を行いました。

この記事の根拠 電源構成と自給率の数字は、資源エネルギー庁「エネルギー基本計画の概要」(令和7年2月)で確かめました。閣議決定の日付は経済産業省の発表で確認しています(2026年9月11日)。寄付の開始時期は自社の公開ページに基づきます。

文章校正や誤字脱字のチェックにAIを活用しています。サーフィンの経験・体験談は、編集部メンバーが実際に体験した一次情報です。編集部についてはこちらにまとめています。

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