初心者向け サーフボードにあったフィンの選び方ガイド
フィンは水中で水流をコントロールし、直進安定性を高めたり、ターン時の舵の役割を担います。基本はサーフボードの推奨設定に合わせるがベストですが、たまにはフィンを変えて違ったフィーリングを楽しむのもサーフィンの楽しみ方の1つです。
以下を参考に、サーフボードにあったお気に入りのフィンを選んでみてください。
1.サーフボードのフィンセッティング
サーフボードと相性の良いフィンを選ぶためには、まずサーフボードの各フィンセッティングの特徴を理解しましょう。
1.1. シングル
ボードのテール中央部分に1枚のフィンがあり、ミッドレングスやロングボードなどの長いボードに多くみられます。安定性が高く、ストレートなラインを描き、古典的なサーフィンスタイルで、クルージングに適しています。
1.2. シングルスタビライザー (2+1)
センターフィンにプラスして、サイドフィン(サイドバイトとも呼ばれる)を2枚使用し、トライフィンとシングルフィンの特性を併せ持ちます。シングルと同様に、ロングボードやミッドレングスサーフボードに多くみられます。
スタビリティ(直進性)とマニューバビリティ(回転性)のバランスが良く、多様なサーフィンスタイルに対応します。サイドフィンを外してシングルとして楽しむことも可能な汎用性の高いセッティングです。
1.3. トライフィン
ボードに3枚のフィンを装着するもので、一般的なショートボードに多く採用されています。安定性と機動性のバランスが良い トライフィンは、大きな波にも対応でき、幅広いコンディションで対応できます。
1.4. ツイン
近年流行している、ボードの両側に2枚のフィンを装着するタイプ。スピード感があり、ターンがスムーズで、波の小さい日に適しているツインフィンは、小波から中波まで対応でき、ダイナミックなサーフィンが楽しめます。
直進安定性を高めるセンターフィンがないため、一般的にトライフィンやシングルスタビライザーのサイドフィンの位置と比較してテール側に位置し、Toe-inアングル(ストリンガーに対して内側に傾いた角度)が小さめに設定されています。
1.5. クアッド
ボードの両側に2枚ずつ、合計4枚のフィンを装着。スピードが出やすく、ターンもスムーズ。クアッドフィンは、多彩なサーフィンスタイルを楽しめるフィン設定です。リアフィン(後ろ側)があることによりツインより安定性が増すため、大きめの波にも対応します。
リアフィンが後方についているボードはより直進安定が高く、前方についているボードは、ターン性能を重視しています。
2. フィンの選び方
どの種類のフィンにおいても共通することとして、以下のことを頭に入れておく必要があります。
- フィンのベース(Base)および先端にかけて前後の幅が広いほど直進安定性に優れ、幅が狭いほど回転性に優れます。
- スイープ(Sweep)が大きい(後方への傾きが大きい)ほどドライブ性に優れ、小さい(後方への傾きが小さい)ほど回転性に優れます。
- より大きな(長い)ボードには、エリア(Area)の大きなフィンが必要になります。
- ボードとライダーの重量が大きくなるほど、 エリア(Area)の大きなフィンが必要になります。
- センターフィンが大きくなるほど直進安定性が高まり、サイドフィンが大きくなるほど回転性が高まります。
各用語はこちらを参照してください。
2.1. シングル
シングルフィンのサイズ選びは、標準的な幅のフィンであれば、サーフボード1ftに対して1インチの高さで計算してフィンを選びます。9ftなら9インチのセンターフィン、10ftなら10インチのセンターフィンが適していているとされます。(一般的にフィンのサイズはデプス(Depth)を指します。)
幅が細いフィンであれば少し大きめの、幅が広いフィンであれば少し小さめを選んでください。
2.2. シングルスタビライザー (2+1)
サイドフィンがある分、シングルと比べてセンターフィン(シングルフィン)を小さめにする必要があります。
センターフィンとサイドフィンのバランスによって、ライディング時のフィーリングが変化します。サイドフィンが大きいほど回転性が増し、センターフィンが大きくなるほど直進安定性が向上します。
2.3. トライフィン
ショートボードに多いトライフィンは、主に大きさとスイープ(Sweep)の強さ、後述の素材の違いから選ぶことが多いです。フィンのブランドによりますが、大きさはL(Large) / M(Medium) / S(Small)のように表記されることが多く、スイープ(Sweep)の強さによって異なるテンプレートが用意されています。
自分にどのフィンが相応しいか判断が難しい場合は、まずは標準的なスイープ(Sweep)で、各ブランド/商品毎に設定されている推奨サイズを選んでみてください。
2.4. ツイン
フィン選びの考え方は他のフィンと同様ですが、フィンが2枚なので、1枚のシングルフィンと比べれば小さくなり、3枚のトライフィンより大きくなります。
フィッシュサーフボードによく使われる、スイープ(Sweep)の強いキールフィンと呼ばれるツインフィンなど、様々なシェイプが存在するのも特徴です。近年様々なタイプのツインフィン・サーフボードが増えていますので、サーフボードの個性に合ったフィン選びが重要です。
2.5. クアッド
フィン選びの考え方は他のフィンと同様ですが、特に直進安定性をコントロールしているリアフィン(後ろ側の2枚のフィン)のフォイル(Foil)にバリエーションがあります。
センターフィンと同じ50/50(両側に同程度膨らんでいる)はより直進安定性が強く、フラット(片面が平面、片面に膨らんでいる)は回転性能が強く、その中間の80/20などのものもあります。サーフボードの特性とご自身のお好みで選んでください。
3. フィンの素材
素材が変わると硬さ、重さが変わり、乗り味が変化します。一般的によく見かける素材を紹介します。
3.1. プラスチック
他の素材に比べて非常に低価格で購入できるため、初心者にとっては魅力的です。柔軟性が高く、鋭利な形状をしていないことが多く、重大な怪我に繋がりにくいというメリットがあります。ただし、比較的耐久性に劣るため、上級者や頻繁にサーフィンを行う方にはおすすめしません。
ファイバーグラスをプラスチックに一定量混ぜて耐久性を高めているプラスチックフィンがおすすめです。
3.2. ファイバーグラス
プラスチック製に比べて剛性が高く、性能が向上します。中級者以上のサーファーにおすすめで、ターンやスピードコントロールがしやすくなります。
3.3. ファイバーグラス Volan
通常のファイバーグラスより少し柔軟性のある素材で、見た目が美しい年輪のような模様が特徴。
3.4. ハニカム(Honeycomb)
中心に六角形パターンのコア材を使用し、軽量化されたフィンです。プラスチックより固く、ファイバーグラスよりフレックス性が高いと言われます。軽いフィンをお探しの方におすすめです。
3.5. カーボンファイバー
カーボンファイバー製のフィンは、軽量でありながら高い剛性を持っています。これにより、最高の性能を発揮し、プロや上級者向けの素材となっています。しかし、その性能に見合った高価な価格が設定されています。
4. 適合するフィンボックスの種類
最後に、フィンボックスの種類について説明します。サーフボードのフィンボックス仕様に合わせてフィンを購入しないとフィンをセットすることができないので、要注意です。
4.1. US Box (センターフィン)
一般的なシングルフィンおよびシングルスタビライザーのセンターフィンは、特に注記がなければ、市販されているほとんどのサーフボードとシングルフィンはこの仕様に合わせて作られていると考えて問題ないと思います。
ただし、フィンボックスの幅は同じでも、長さにバリエーションがある場合があります(短いボードには短いフィンボックスが付く場合がある)。購入しようとしているフィンがお持ちのサーフボードのフィンボックスの長さに入るかどうか、確認した上でフィンを購入することをお勧めします。
4.2. シングルタブ (Futures)
futures. fin社の仕様に適合するシングルタブ(Single Tab)と呼ばれることもある仕様。フィンを挿入するボックスの穴が1つ、フィンを固定するネジも1箇所のタイプです。
4.3. ダブルタブ (FCS)
(出典:https://www.surffcs.com/)
FCS社のFCS Iに適合するダブルタブ(Double Tab)と呼ばれることもある仕様。フィンを挿入するボックスの穴が2つ、フィンを固定するネジも2箇所のタイプです。
4.4. FCS II (FCS2)
(出典:https://www.surffcs.com/)
FCS社のFCS IIに適合する仕様。ネジで止めなくてもフィンが固定できるのが特徴。
参考になりましたでしょうか。とはいえフィン選びは難しく、わからないことがあれば、いつでもチャットやLINE、Instagramからお問い合わせください。nanazeroのサーフボードに関しては、各サーフボードのページにおすすめのフィンを記載していますので、参考にしてください。
【参考】https://pocketsurf.jp/surfboard_fin